2010年08月09日

こういう時期というわけではない・・たまたま、この時期だった

戦争体験・・・私にはない・・・もちろん、話に聞いたことはある・・・静岡に空襲があったことも

しかし、普段の生活の中で、だんだん遠ざかっていく戦争・・・日々の生活に追われ、すっかり忘れている

私が小さかったときには・・・もっと、戦争のことは、身近に感じていた・・・それだけ、時間も、経験者も今よりも近かったんだろうと思う

戦争を題材とした作品を観たのは、別に、この時期だからというわけではない

この作品に出会ったのが、たまたま、この時期だったというだけの話

私は戦争を扱った作品に触れることも、少なくはない・・・そのたびに、感銘を受ける

そして、触れるたびに、・・・しみじみ思う・・・どう考えても、平和ボケをしている私である・・・と

こんな、平和ボケをしている私でも、忘れちゃいけないと・・・こういうときばかり、偽善者であるかのように、純粋な気持ちになる



2007年公開 「夕凪の街 桜の国」 こうの史代原作 佐々部清監督 麻生久美子さん、田中麗奈さん、堺正章さん、藤村志保さん、伊崎充則さんら出演

一度はどうしても観ておきたかった作品・・・・その衝撃は大きかった

「夕凪の街」「桜の国」の2部構成・・3部構成・・で、昭和30年代、昭和50年代、そして、平成の現代を広島の原爆体験を家族の目線から描いた作品

『広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ』の下りからはじまる

「夕凪の街」は、原爆に一家で被爆し、父と妹を亡くした、26歳で原爆症で亡くなった皆実(麻生久美子)から見た視点

投下から10年後、原爆を時折思い出し、自分だけが幸福になってはいけないと、葛藤しながら原爆症で亡くなっていくまでが描かれている

「桜の国」は、たまたま、疎開していて無事で、後になり養子に出された皆実の弟・旭(堺正章・伊崎充則)と、その娘・七波(田中麗奈)から見た視点

旭が突然ボ~ッと散歩をしてくると言って、家を出たことから、七波は友人と広島まで父の後をつけるところから、父・旭の昔を回想する

市民目線で描かれたこの作品なだけに、旭が、兄の結婚で家に居づらくなった京花を家につれてきたとき・・・

母・フジミ(藤村志保)は・・・結婚相手に被爆者を選ぶことを反対したところがもっとも印象的だった・・・

結局は一緒になったが、若くして原爆症?で亡くなっている・・・その二人の間に生まれた娘が七波・・・・

そんな被爆者、そして、被爆2世に対する世間の差別のようなことも、まだあるのだと、思い知らされた

そして、この作品中に、春日八郎の「お富さん」が、何度も口ずさまれた・・・もちろん、私が知らないはずがない曲!!

しかし、こんなにしんみり歌詞を考えさせられたのは、初めてだった

このような作品を観て、感銘を受けると、つい、原作を読んでみたくなる私でした・・・すでに、原作コミックをAmazonで注文!!

早速読んでみた・・・・たった103ページのコミックだけど・・・・作品を観た後に読んだ原作は、私にとっては衝撃的だった

やはり、こういう作品には、星はつけられない・・・

ただ、ひとつ言える事は、私は戦争のことや、原爆のことを知らなさ過ぎるということ  


Posted by としです at 20:36Comments(19)夜長の映画